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松井今朝子著『吉原手引草』

Tompeiさんのところでもご紹介があり、書評でも5つ☆がついていたので、ぜひオフの前に読まなくてはと、アマゾンにポチッとしたのが、いつだったか・・。待てど暮らせど、届かずに、結局、オフは終わり、アマゾンからはお詫びのメールが届く始末。ようやくとどいたのがGW。

それだけ、人気だったってことなのね。アマゾンでもそんなことがあるんだと妙に感心して読み始めたのはGW明けてからでした。遅いよ・・。

当代一の花魁葛城失踪事件が、17人の証言によって明かされて行く。そこに浮かび上がるのは葛城の人物像とともに、その後ろには吉原の姿、はたまた江戸時代そのものが浮き彫りにされていく。その過程が見事でした。

Tompeiさんもお書きになっておられますが、思わず読了後、最初に戻ってええっと、誰がどんな証言をしたのだっけ?と読み返しました。

ただ、この作品は違うのですが、最近遊郭を美化して書かれる傾向がかなりあることが、ちょっと気になります。吉原といえば、売春なわけです。それを、華麗な花魁の世界として描くことで、女性がどんなに苦しんだか、一番の問題、性病によってどれだけ苦しめられたかということが抜け落ちている。目を背けてはいけないと思います。それは過日読んだ田辺聖子氏著の『姥さかり女旅笠』の中でも出てきたのですが。江戸の男たちに瘡蓋があるのが自慢だとかなんだとか・・。それを粋というにはあまりにもお粗末。

確かに、吉原を筆頭に遊郭が江戸文化成熟の一旦を担ったのは事実です。北斎しかり、近松しかり・・。

でも、江戸の華やかな部分だけが脚光を浴びている気がしますが、悲惨で劣悪な環境のなかで女たちや子どもが生きていたことも事実ではあります。

かといって、今の世の中、江戸時代より、性を取り巻く問題が良くなったかというと、はなはだ疑問であるのが悲しい。かえって、モラルが地に落ちた今のほうが悪いかもしれない。

ということで過日のオフの写真から、今の吉原(新吉原)です。

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吉原の唯一の入り口。吉原大門。昔をしのぶものはなにもないのですが、一歩入れば今でも、おばさんの集団が歩くところではなかった・・^^;

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見返り柳。ここで余韻を味わい振り向くんだそうで・・。何の余韻じゃ(-_-;) ここから山谷掘りまでは、お徒歩で。

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柳橋あたりりの船宿から猪牙舟で駆け上り・・新吉原へ。山谷掘は今では緑道になっていました。

ちょうど、大川(隅田川)から、山谷掘りに入るところに待乳山聖天があります。そこには江戸時代のままの築地塀が現存していました。

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こうして、実際に歩いたあとで、本を読むとイメージがますます膨らみ、実際の距離感を身体でわかっているので、二度楽しいのでした。

次回お江戸オフは人気の谷根千。何をお勉強しようかしら。

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コメント

こんにちは!

確かに最近は花魁の華やかなところにだけスポットがあたっているみたいですね。
漫画にもなり、土屋アンナ主演で映画にもなり・・・
実際は性病や結核などで客が取れなくなると、厄介者扱いされて、狭くて薄暗い部屋で死を待つしかなかったそうですのに・・・

> 次回お江戸オフは人気の谷根千。
谷根千には猫の店員さんがいるこんなお店があるそーですので、機会があれば寄ってみて下さい (^-^)

▼ねんねこ家
http://www.nennekoya.com/

但し、営業日は金曜・土曜・日曜・祝日(AM11時30分~PM6時)のみですので、行かれる際はご注意を!

トラックバックありがとうございます。
へぇ、入手までにそんなに時間がかかったとは……(@_@)。

この小説、よくできていますよね。いろいろな人の証言で成り立つ小説は他にも読んだことがあるけれど、これは吉原という特別な世界が浮き彫りにされていくところが見事でした。

そう、美化しちゃいけませんね。天切り松のお姉さんみたいに、吉原に売られて病気になって死んでいった女性がたくさんいたはずですよね。火事や地震でもたくさん犠牲になっているし。

この後、『吉原御免状』を読みました。ちょっととっつきにくかったけれど、別の意味で面白かったです。

>アリスさん

次回オフで「ねんねこ家」の前を通る予定だけど、火曜日なのでやっていないのよね。残念!

アリスさん、Tompeiさん

コメントありがとうございます。


>アリスさん

廓ではしたたかに女たちも生きていたようですが、やはり病気は怖いですよね~。昔は一度罹ると死に病ですからね。
そういう危険があるということを、今時の人たちもわかってるのかなぁ。

>▼ねんねこ家
貴重情報ありがとうございました。でもTompeiさんもお書きになっておられるように、火曜日なの~。残念!


>Tompeiさん

>他にも読んだことがあるけれど、
有吉佐和子さんのにもなかったですかぁ?
この本を読んで、それがパッと頭に浮かんだ。でもタイトル思い出せないけど^^;;;

>これは吉原という特別な世界が浮き彫りにされていくところが見事でした。
きっと、舞台か映像になると思うけれど、ぐいぐい引き込まれましたよね^^

ところで、星いかがでした??

有吉佐和子で思い出しました。『悪女について』ですね。

星組はちょっと文句もあるけれど、楽しめました~。たぶんまた観に行くと思います(^^ゞ。礼音&和がお気に入りなの。

Tompeiさん

わざわざありがとうございます。

>『悪女について』ですね。
そうだ~。それだ~。まだ若かった時だから十分衝撃的だった記憶が^^;

>礼音&和がお気に入りなの
ね、ね、よかったでしょ~。
ワイルドな感じだし。和君のあのつんつん頭かわいいでしょ^^

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