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『はかなき人生』

まだまだ余震がひどく、心が痛みますが、書きそびれていた土曜日の事を書き留めておこうと思います。こちらは、心温まる発表会だったので。

タイトルの『はかなき人生』って、私の人生のことではありません。土曜日前橋にすむ友人(同業者)のピアノ発表会でした。そこで彼女と連弾した曲のタイトルです。ファリャ作曲の歌劇『はかなき人生』より「スペイン舞曲第1番」と、ブラームス作曲『ワルツ』より2曲弾きました。うん、良い選曲だ。一応講師演奏^^;あの~、私ピアノの先生なのでバスガイドさんと格闘したり日比谷界隈をうろついているだけではなくて、ちゃんとピアノとも格闘しております、念のため。

ファリャ(1876-1946)は20世紀スペインを代表する作曲家です。このはかなき人生はスペインのコンクールで優勝したにもかかわらずスペインで華々しくデビューというわけにいかず、初演してもらえないまま、彼はフランスに行きます。そこで「魔法使いの弟子」なので有名なデュカやドビュッシーと親交を深め、彼らの尽力によりようやく初演されます。優勝してから9年も経ってからです。彼はパリでようやく作曲家としての地位を確立し第一次大戦が勃発する1914年までパリに滞在しその後スペインに戻りスペイン音楽界の発展に尽力しました。

『はかなき人生』はタイトル通りの内容で、民族、階級間の悲恋といってしまえばそれまでですが、このオペラの特筆する点はスペイン語によるオペラだって事です。オペラといえばイタリア語かドイツ語が当たり前。日本語のオペラはすぐ思い当たるかなぁってかんじですよね。先日『Jr バタフライ』が初演されましたが、これが世界の土俵にあがり人々の鑑賞に耐え得る作品になるか判明するのはまだまだ先のことです。オペラというジャンルが確立して100年余り、それ以前からもちろんありましたが、その間に無数の作品が生まれ消え何とか作品として評価されていのが100曲足らず、よく上演される、人気のっていうと30曲ほどだそうです。(ああ、うろ思えだから数字間違ってるかも)。日本のオペラはどうなるのでしょう。アメリカではオペラからミュージカルって言うジャンルを確立しましたが。

オペラの話になると、終わらないので。本論に戻し、私たちが弾いた「スペイン舞曲」は主人公のジプシー娘サルーが自らを裏切った男パコの婚礼の場面で踊る際の音楽で、フラメンコ風の華やかな中にジプシーの哀傷を、描いた名作です。連弾としてもお互いスリリングで弾いていておもしろい、聞いて迫力のある曲です。ピアノ連弾はラベック姉妹の演奏が素晴らしい(CD)。もちろんまねできないけど^^;土曜日私たちも先生らしい演奏が出来たと思う。

そして、もう一つ、ブラームスのワルツについては私の独断と偏見のブラームス論を述べたいので次回に。

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コメント

桜桃さま
今頃気の抜けたコメントで申し訳ありません。
「はかなき人生」のコメントが、あまりに面白かったものだから・・。
ところで、この曲私も大好きです。ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴスの指揮でロス・アンヘレスがヒロインを歌ったLPをよく聴いていました。
でも、やっぱりスペイン舞曲第一番が有名ですよね。本当に情熱的でカッコイイ曲ですが、最後のリズムでとちると全体がぶち壊しになるので、怖い曲だと思います。
昔ギター2本でこの曲にトライしたことがあったのですが、リハーサルでものの見事に空中分解してしまい心臓が凍りつきそうな思いをしたことを思い出します。
また、機会があれば是非聴かせてください。

romaniさま

こんばんは(^^) 
いえ、いえ、コメントありがとうございます。私の好き勝手なオペラ評^^;なのに、申し訳ないです。おまけにうろ覚えだったりする^^;

>昔ギター2本でこの曲にトライしたことがあった
わ~、ギターだとますますスペイン的でしょうね。ピアノって何でもできるけど、その代わり何でもやっぱりピアノなので。ゆれやら、ゆらぎというのはギターには絶対かなわないでしょうね。是非是非、今度お聞きしたいですぅ。

今、コメントいただいて、この記事改めて読み直したらブラームスのこところっと忘れていましたね。今まさにブラームスのこれまた超有名な二台にトライしておりますので、そのうち書かなくては・・・。その節はまた、いろいろお教えくださいませ。

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