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『小犬のワルツ』

昨日、次男のコンサートがありました。弾いた曲が『ワルツロ短調作品69-2』と『ワルツ変二長調作品64-1』の二曲でした。彼は某音大附属音楽教室に在籍しています。そこでのコンサート。上の二人も在籍していました。娘は大学生になったので、卒室。長男は中学生になるとき、サッカーが出来ないという理由で退室、その後家に先生に来ていただいてつい最近大学受験のため止めると言い出すまでレッスンをうけていました。私は自分がピアノの先生なのに我が子は誰一人自分で教えられなかった。というか、最初から私がみないという方針で外の先生につけました。自分が満足のできる音楽環境になかったから、せっかく関西から東京に来たのでちゃんとした音楽環境で子供に音楽教育を受けさしたいと思ったからです。結果は・・・娘はあっさり大学進学のとき音大は行かないとさっさと普通大学へ行き、息子はやっぱりサッカーだ、といってやめ、一番下は中2にもなって小犬のワルツを弾いているという情けないことです。ま、子供なんて、親の思うとおりにはならないっていう典型です。

『ワルツ変ニ長調作品64-1』は別名小犬のワルツ。この曲にまつわる私の思いを・・・。満足できる音楽環境になかったということ。これは40余年前の奈良のそれも中心部でなく田舎では、ピアノを習うっていうこと事態めずらしく、わざわざ、バスと電車に乗って習いに行っていました。父が新しい物好きだったので、プレーヤーとレコードはあった。記憶があいまいなので他にもレコードがあったかもしれないけれど、とにかく一枚のレコードだけを私は聞いていました。今となってみればレコードだったのか、何だったのか。でも演奏と曲目だけは不思議と覚えています。それが、ピアノ名曲アラカルトみたいなので、どれも絶対いつかは弾きたいと思っていました。何回も聴いたし。それが数年前ふと、何気なく買ったCDが、私が小さい頃聞いていたのと同じだとびっくり。田中希代子さんというピアニストの復刻CDでした。その小犬のワルツがとっても素敵なのです。というより、このCDを聴いたとき、ああこれが私の原点だったなって思いました。確かに乏しい情報、音楽環境。たった一枚のレコードだけ。でもピアノが音楽が好きっていう思いで今まで来ました。だからこそ、音楽的環境でなかったし才能もなかったし、ピアノの腕も全然だけれど今も音楽に携わって悪あがきしているんだと思います。

我が子たちは音楽的環境という点では私の子供のときの環境とは雲泥の差。娘に至っては、とっても良い先生につけることになっていたのに音楽を進路の選択にしなかった。私は大学に入ってからいろいろな意味で周りより劣っていたので泣くほど苦労しました。だからもっと小さいときに音楽的環境だったらもっとピアノうまくなっていてこんな苦労しなかったかもしれにとかやっぱり少し思いましたが、それは違ったんですね。音楽的環境にあったから進むっていうんじゃないんですよね。思いがないと。それを我が子に思い知らされたんです。私はその思い、あの田中さんの録音によって刺激された思いだけで、ここまできたのでしょう。

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音楽、ピアノ関係」カテゴリの記事

コメント

はじめまして、こけ玉と申します。
ジャンバラヤから来ました。
桜桃さんの音楽に対する静かな、
それでいて熱い想い、にジーンと来ました。
これからも時々おじゃまするかもしれません。
よろしくお願いします。

こけ玉さま

コメントありがとうございます。感激です(*^_^*) 実は、こけ玉さまのブログ、前から読ませていただいておりましたので。ピアノのセンセのドタバタ日記ですが、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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