音楽の力

私のやってることってなんだろうって、いつも考えます。ピアノを教える。このことにどういう意味があるのだろう。音楽を仕事とする・・・。こういうことが自分にとっては意味のあることだけれど、社会的意義、自分の存在価値を考えると、自分のやっていることってなんだろう。

これは自分が大学の進路として音楽に進んだ時からいつも考えていました。音楽をやっているといっても、演奏家としての使命は自分にはない。そうしたら自分には何ができるのだろうか。音楽自体が経済生産性のないもの。経済社会の中での価値は何か。などなど。要するに音楽がなくても生きていけるんですもの。

でも、今この歳になって、ようやくちょっとだけ見えてきたことがあります。音楽がなくても生きていけるけれど、食べ物だけでは、人間を、魂を、世の中を癒すことは出来ないってことです。逆に音楽は人に生きる力を与えてくれるものであると。言い換えれば魂の糧とも言えるかなぁ。

今日、この番組(BＳｈiコンサート)をみて、改めて強く感じました。私はレッスンがあったので、途中からしかみていませんから、全体としては言えないのですが、私が聞いたなかで特にブラームス作曲の
「バイオリンとチェロのための二重協奏曲」
独奏：ミーシャ・マイスキーさん（チェロ）
　　　五嶋龍さん（バイオリン）

が素晴らしかった。ライブ中継でした。そして、今脚光を浴びている指揮の佐渡裕さんのコメントがまた、感動的でした。彼らのような人たちの使命、音楽の果たす役割を感じた瞬間でした。そして、佐渡氏は十分その使命を果たし、これからも世界へ向けて、さまざまなメッセージを送り続けてくれると思います。

6日が広島、今日が長崎に原爆が投下された日、15日が敗戦の日。黙祷を捧げます。