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『やさしい訴え』

私のチェンバロのお師匠さんから、この本を数ヶ月前に紹介されました。桜桃さんも、この曲弾いてみてくださいね。という言葉を添えて。ようやく先日、取り掛かって、読みかけたらあっという間に読めてしまいましたが。

小川洋子さんの『やさしい訴え』 

この小説のタイトルはラモー作曲のクラヴサン曲集の1曲です。原題はフランス語で、「Les Tendres Plaintes」クラヴサン曲集では「恋の嘆き」と訳されています。小川さんはその曲を“やさしい訴え”とされて、小説にされたわけです。十年ほど前にこの小説を小川さんが書かれたということは、当時、そして十数年前からの古楽ブームを狙って、目の付け所がさすがということでしょうね。

ジャン=フィリップ・ラモー(1683~1764)は、フランスの18世紀最大の作曲家の一人でありますが、音楽理論の権威としても重要かもしれません。

今のピアノの楽譜。上がト音記号。下がへ音記号の大譜表でその真ん中が真ん中ド、で上下に対称となる楽譜(わかりにくい?)を提唱したのがラモーだそうです(ってのは以前ここで書いたかもしれない・・)。それまではハ音記号の楽譜だったんです。

このへ音記号とト音記号を使っって鍵盤楽器の楽譜を表すってのは演奏する人たちにとっては画期的なことなのです。

さて、この小説はピアニストとしての夢破れたチェンバロ製作者と、過去を背負った助手、そして夫の不倫に悩む妻の三人が人里はなれた森の中で繰り広げる人間模様、といえばカッコいいのですが・・・。

多分モデルはこちらの製作者だろうと推察されるので^^;;;;、そこにはもちろん助手さんもいらしたし・・。あり得な~い(~o~)

ということで、なんであれが、ああいう小説になるんだ、???と小説家の大ぼら能力に感心するやらおかしいやらで、別の意味で面白い小説でありました。

で、私もココに出てくる曲をいろいろ弾いてみました。持ってる楽譜が限られてるので・・少しですが。

ラモー 恋の嘆き つむじ風 鳥の呼び交わし
クープラン 葦
パーセル メヌエット
バッハ シンフォニア イタリアンコンチェルト(この曲は習い始めたばっかりの頃チェンバロで弾きたいってセンセに言ったら、バッハで唯一二段鍵盤指定なのでまだ無理ってやんわり止めるよう言われた^^;)

などなど。

ピアノで弾いてもなんともかんとも。おまけに私が弾くからやっぱりコメディなのであった( ̄▽ ̄;)

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きょう、模様作曲しなかったー。

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