『時に海を見よ』 これからの日本を生きる君に贈る
ご存じの方も多いと思うのですが、感動的な本ですので今更ながらご紹介します。今日、NHKラジオビタミンで渡辺先生のインタビューの再放送があったので。
渡辺憲司著 『時に海を見よ』
渡辺憲司先生は、お江戸文化の研究家ですが、今現在立教新座中高校の校長先生をなさっています。
3月11日の大震災。その後、学校の卒業式、入学式はのきなみ延期中止になったのは周知の事実です。
立教新座高校も同様でした。そして中止になった卒業式のかわりに、渡辺校長先生のメッセージが中高のHPに掲載されるとその感動的な文章が大反響を呼び起こしました。
その後、そのメッセージに新たに加えられた先生の力強いエールとともに一冊の本になったのがこの『時に海を見よ』という本です。
数十分もあれば読めますので、ぜひみなさんに読んで欲しい一冊。
そしてあっという間に読めるけれどいっぱいいっぱいメッセージが詰まっていますから、何度も取り出して読み返したい本です。珠玉の言葉ばかり。言葉の持つ力を再認識しています。
本もぜひ読んで欲しいけれど、せめてこちらだけでも読んで欲しい。
18歳の君たちへ。特に男の子へ向けたメッセージだけど、すべての人へ、のメッセージになっています。
先生ご自身の経験、そして、江戸文化、キリスト教精神、外国の名言、日本文学など多岐にわたるジャンルから例をとりわかりやすく私たちが進むべき道を示して下さっていますので、みんなの指針となります。
読む人ごとに“ツボ”は違うと思うのですが、私はあえて言うなら
人には皆、過去がある。思い出したくない過去を持たないものはいないのではないか。(略) 過去の自分の過ちが心に澱となって溜まり、それを引きずっている者も少なくないだろう(略)過去は過去として受け止め、そのうえで新しい自分に生まれ変わるのが、リセットではないか。
そのチャンスが十八歳の春。
というところに救われました。嫌な自分を封印して生きてきた、だかこそ、日々ちゃんと生きなくてはと思ってきた。それを“リセット”と言ってもらって半世紀生きた今、ホッと出来た、救われた自分がいます。
そして、あの震災に遭ってなお、“海を見よ”とおっしゃる先生のメッセージをしっかり受け止めたいと思います。
NHKのど自慢で、東北の方たちが一番歌いたい歌は「北国の春」と昨日あさイチで言ってたけど、渡辺先生が必ずお歌になる歌も「北国の春」だそうですよ。
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